パナソニックの携帯ウォシュレットとは言わないハンディトワレ、DL-P300が動かなくなったので修理した。
日本では今や地方駅や古い施設でなければほぼ装備されている温水洗浄便座だが欧州では皆無。我が家には日本から持参したTOTOの便座を設置しているが旅行先はおろか毎日の会社での用足しにも無いと困る身体の私。日本土産のパナソニックのハンディトワレ DL-P300 (携帯ウォシュレットとは呼べない、パナだから)は非常に重宝していた。ある日会社で使おうとすると動かない。こんなこともあろうかと常備してある新品の単四電池に交換するも動かない! 制御系だと嫌だなあと分解してみると簡単な断線であっさり修理出来たので、以下に分解手順を示す。
パナソニック DL-P300外観。ご覧の通り信頼安心の日本製、なのだが! 単四電池を2本使うのだが極性指示が分かり難く、ときどき動かないと思ったら極性を間違っており差し直して動く、ということがあった。今回もそのパターンかと思ったら故障であった。

外側からアクセス出来るネジはノズルを引き出して見えるコレ、1本のみ。なかなか上手にネジを隠しつつ堅い嵌め合い等は避けて修理もしやすくした良い設計、と見える。まずはこのネジを外す。

ネジを抜くと、ノズルのついた先端部分を長手方向に真っ直ぐ引くと抜ける。防水構造で非常に堅いので、プラスチックを傷付けないように隙間に薄い物を差し込んでこじるように抜く必要がある。

引っ張って抜いた後の写真。左側の本体から突き出している細い金属のパイプに、右側キャップのノズルから繋がっている透明の樹脂チューブが挿入されている。これは洗浄水を送るパイプで漏れないようかなりしっかりした嵌め合いになっており、ここをゆっくり引っ張りながら抜かないとキャップ部が外れない。反対の金属パイプは大気圧との呼吸用であろう、特にチューブ等には繋がっていない。

本体側に軸方向につけられたプラスネジ2本が見えてくる。次はこれを外す。これが長くて樹脂にかなり固くねじ込んであるので、ナメないように押さえながらサイズの合った小さなプラスドライバーでゆっくり回す必要がある。

ネジを2本とも抜いたところ。ネジの周りの防水のために、ネジと穴の間には中央に見えるゴムのOリングが挟んである。これが非常に小さくてなくなりやすいので要注意! 抜いたネジに着いてくるか、本体側に残るか分からないので気をつけないとすぐどこかに飛んで行く。

本体側の白い筒状のカバーを黒い部品に着いた内蔵物(本体)から抜く。画面中央の黒い部品と白い部品の境目に見える、大きな直径の防水用Oリングがあるので傷付けないようにゆっくりとカバーを本体から抜く。

カバーを取り去った本体側のクローズアップ。先程述べた、カバーとの隙間を防水するためのOリングと溝の形状がよく見える。周辺には細いケーブル、それを止める黒いテープがあるので作業時に引っ掛けないよう注意する。

本体内に水侵入は見られないが、念のためにモーターに水が入って回らないなどの問題が起きていないか、単四電池をモーターに直結してテストする。問題無く回るのでモーターは大丈夫なことが確認出来た。

先程の写真で見た本体の裏側、スイッチの下にはこのような基板が付いている。この基板の故障だったら嫌だなあと思いながらモーターに直結してみたりテストしていると……

よくよく見ると、モーターへの電力供給ケーブルが根元のところで断線している。パッと見には黒いワイヤーがちゃんと付いているように見えていたが繋がっていなかった。何のことは無い、半田付けのための末端処理不良で線が細くなっており、そこがモーター振動によって断線したのだろう。

ケーブル端を剥いて、しっかりと半田付けし直す。これで大丈夫でしょう。

あとは逆の順番で組み立てるだけ。白いカバーを被せるときに内部配線や黒いテープに変な力がかからないように注意。軸方向のネジ2本を締めるときにOリングを忘れず、正しい位置に入れる。キャップを取り付ける際にはゴムチューブが金属パイプにきちんと嵌まるように。それくらい気をつければ大丈夫でしょう。
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